
かつて繊維製品は原料の調達や紡績、成形の工程がすべて手作業であり、現代のように容易に入手することはできませんでした。
このため、繊維の劣化を防ぎ、一つの衣類を長く美しく着るための工夫として染色が行われてきました。
また着用する人の個性を際立たせ、生活へ彩をもたらすことにも展開されるようになりました。

天然の染料は草や種、果実や動物から抽出されたあと繊維と出会い、媒染など複雑な工程を経て初めて美しい色を呈します。
染色工程の複雑さ、専門性の高さ、染料の希少性から、美しく彩られた繊維製品は権威の象徴、宗教や儀式に神秘性を付与するためのものとしても利用されるようにもなります。

天然染料の優しく複雑な色味は素材が持つ複数の色素に由来しています。これら色素は重ねて施される媒染により鮮やかさ、深み、艶やかさが付与されることで様々に表情を変えます。
フラカラーは天然素材から抽出した染料を100%使用した染色方法で、従来困難であった天然染料の均一な染色を長年培った染色技術で工業的に可能にするものです。

獣毛や植物系繊維が持つ持続可能性 Sustainability を大切にし、一つの商品を大切に長く着用いただけるような、地球に優しい美しさを纏う製品をお届けしたいと考えています。